獣医師が解説! 犬のワクチン接種のあれこれ
犬のワクチンの正しい選び方と後悔しない接種計画
浜松市近隣にお住まいの飼い主様から、当院 ドッグギャラリークリニック には、
「犬 ワクチンの種類が多くて迷う💦」
「何歳まで続けたら良いのか知りたい」
「副作用が心配…」
というご相談がたくさん寄せられます。
当院はアットホームな雰囲気を大切にしながら、多くの犬の診療を行っています。皮膚科や腫瘍科のご相談に加えて、犬のワクチンに関する不安や疑問も一年を通じて多く受けています。
初めて来院される飼い主様からは、
「昔飼っていた犬は、こんなにワクチンを打っていなかった気がするけれど、本当に必要なの?」
という声もよく聞かれます。
こうした疑問に対して、専門的な視点から、わかりやすく正しい情報をお伝えすることがとても大切だと感じています。
この記事では、ワクチンについて飼い主様が知りたいポイントを整理し、当院で実際にあった事例も交えながら解説します。
読み終えたあとに、
「うちの子にはどの犬 ワクチンが合っているのか、ちょっと相談してみようかな😊」
と一歩踏み出していただけることを目指しています。
- ワクチンとは何か🐾|犬にワクチンが必要な理由と効果の仕組み
- 犬 ワクチンの種類💉|当院で扱う「6種」と「10種」の違いと選び方
- 浜松市近辺に潜むレプトスピラのリスク🌧️
- 犬のワクチンのスケジュール📆
- 犬のワクチンの副作用と当院の安全対策⚠️
- 犬 ワクチンのメリット✅|愛犬と家族を守る確かな予防
- 犬 ワクチンのデメリット📌|知っておきたい注意点とリスク
- 犬のワクチンQ&A❓|飼い主様からよくある質問にお答えします。
- まとめ🌟|犬のワクチンは愛犬の未来を守るための大切な一歩
ワクチンとは何か🐾|犬にワクチンが必要な理由と効果の仕組み
ワクチンとは、犬を病気から守るために、感染症に対する免疫をつける注射です。適切なタイミングでワクチンを接種することで、重症化や命に関わるリスクを大きく減らすことができます。
ワクチンは、ウイルス性の病気だけでなく、一部の細菌性の病気も予防できます。つまり、毎日お散歩に出る犬だけでなく、ほとんど室内で過ごす犬にもワクチンは大切です🏠
当院では、ほぼ毎日のように犬のワクチンのご相談と接種を行っています。
ワクチンを打っていない犬では、感染症を疑う症状で急に来院されるケースをこれまで何度も目にしてきました。特に、若い時期にワクチン接種が不十分だった場合、急激に悪化するパルボウイルス感染症などにかかるリスクが高くなります。
犬 ワクチンの一番の目的は、
「予防できる病気をできる限り防ぎ、飼い主様と愛犬が安心して暮らせる毎日を守ること」 です🌈
犬 ワクチンの種類💉|当院で扱う「6種」と「10種」の違いと選び方
世の中には「5種」「7種」「8種」「10種」など、さまざまな犬 ワクチンがありますが、
当院では「6種混合ワクチン」と「10種混合ワクチン」を取り扱っています。
まず、ワクチンに含まれる代表的な病気を整理します:
コアワクチン(すべての犬に基本として推奨されるワクチン)
• ジステンパーウイルス感染症
• アデノウイルス1型(犬伝染性肝炎)
• アデノウイルス2型(犬伝染性喉頭気管炎)
• パルボウイルス感染症
ノンコアワクチン(生活環境に応じて選ぶワクチン)
• パラインフルエンザ
• レプトスピラ(複数の血清型)
• コロナウイルス
そして当院では次のような方針でワクチンを選んでいます👇
• 6種混合ワクチン → 基本的なウイルス性疾患を防ぐタイプ。
• 10種混合ワクチン → 6種に加えて、レプトスピラなどノンコアの病気もカバーする、より広範囲の予防を目指すタイプ。
飼い主様が特に迷いやすいのは、
「うちの子には6種か10種、どちらが合っているか?」
という点です。
当院では、以下のような生活状況を丁寧にうかがいながら、6種か10種のどちらかを一緒に選んでいます😊
• 普段のお散歩コース(草むら・河川敷など水辺や自然が多い場所か、舗装道中心か)
• ドッグランやペットホテルの利用の有無
• 川遊びやキャンプなどアウトドアの頻度
• 他の犬との接触頻度
浜松近辺に潜むレプトスピラのリスク🌧️
レプトスピラ症は、ネズミなどが保菌し、その尿で汚染された水や土壌を介して広がることがあります。静岡県内では、過去に川や水田・天竜川流域などでレプトスピラ菌の環境汚染が報告されてきました。
特に、田畑・川・湿地が比較的多いエリアや、水がたまりやすい場所・雨上がりのぬかるみなどは、感染の可能性が高くなります。
また、静岡県全体の調査では、飼い犬305頭中約4.6%に抗体陽性が確認されたデータもあり、静岡県では犬の過去のレプトスピラ接触例が一定数あることがわかっています。
静岡県公式ホームページ
これらを踏まえると、浜松近辺でもレプトスピラのリスクは「ゼロではない」、むしろ「天候やお散歩場所によって注意すべき可能性がある」と言えます。
だからこそ、当院では10種混合ワクチンの選択肢を残しつつ、飼い主様とライフスタイルを相談のうえ、最適なワクチンをご提案しています。
犬 ワクチンのスケジュール📆|子犬・成犬・シニア犬での最適プラン
犬のワクチンは「どの種類を打つか」と同じくらい、「いつ打つか」がとても大切です。年齢や体調によって、適切な接種回数や間隔が変わります。
当院では、診察時に飼い主様の不安や疑問をうかがいながら、個別のワクチンプランを一緒に考えています。
子犬の場合(生後2か月〜4か月)
• 生後8週ごろ:1回目のワクチン
• 生後12週ごろ:2回目のワクチン
• 生後16週ごろ:3回目のワクチン
子犬期のワクチンは特に大切です。母犬から引き継いだ免疫が徐々に弱まり、自分で免疫を作り始める過程で個体差が大きいため、きちんと3回の接種を続けることが、確実な免疫獲得につながります💪
成犬の場合(1歳〜7歳)
• 年1回のワクチン追加接種を基本とします。
• 6種か10種かは、飼育環境や散歩・お出かけ頻度によって調整します。
シニア犬の場合(7歳以上)
• 全身の健康状態や持病を確認したうえで、ワクチンの種類と接種時期を慎重に検討します。
• 心臓病・腎臓病などの持病がある犬では、負担を考慮して抗体価検査を活用し、接種間隔を延ばしたりすることもあります🔬
ワクチンの種類やタイミングで迷われている場合も、お気軽にご相談いただければと思います。
犬 ワクチンの副作用と当院の安全対策⚠️
犬 ワクチンには副作用が起こる可能性があります。あらかじめ起こりやすい症状を知っておくことで、飼い主様の不安を軽減でき、万が一のときにも冷静に対応できます。
当院では、年間を通じて多くのワクチン接種を行っており、副作用の事例も経験しています。多くは軽度で、自然と落ち着きますが、まれに重度のアレルギー反応が起こることもあります。
そのため当院では、ワクチン接種後に必ず「15分間は待合室で様子を見る」ルールを設けています⏱
この時間に異変があれば、すぐに獣医師と看護師が対応できる体制を整えています。
帰宅後は、その日1日はできるだけ安静に過ごすことをおすすめしています。激しい運動や長時間のお散歩、シャンプー、ドッグラン利用などは避け、普段より少しゆったりとした時間を過ごしてあげてください🐶
以下のような症状が出た場合は、すぐに連絡または受診をお願いします:
• 呼吸が苦しそう、ハアハアしている
• ぐったりして起き上がれない、ふらつきがある
• 短時間で繰り返す嘔吐や激しい下痢
• 顔や口の周りが急に腫れてきた
過去には、シニア犬で急性のアレルギー反応が出たケースがありましたが、飼い主様の迅速な対応で回復した例もあります✨
このように、接種後15分の院内待機と、その日1日の安静を徹底することで、副作用によるトラブルをさらに減らすことができます。
犬 ワクチンのメリット✅|愛犬と家族を守る確かな予防
犬 ワクチンには、飼い主様と愛犬にとって多くのメリットがあります。代表的な4つを紹介します:
メリット① 命に関わる感染症リスクを大きく減らせる
ワクチンによって、ジステンパーやパルボウイルスなど、命に関わる病気のリスクを大幅に下げることができます。
メリット② 治療費の負担を抑えられる
ワクチン接種の費用は、種類にもよりますが一般的に1回あたり数千円〜1万円程度です。一方で、重い感染症にかかった場合、入院費、検査費、薬代などで数万円〜十万円以上になることもあります💸
ワクチンは、予防という形で大切なコストパフォーマンスの良い選択肢です。
メリット③ ドッグラン・ペットホテル・トリミングの利用条件を満たせる
多くのドッグランやペットホテル、サロンでは、最新のワクチン接種証明書の提示を求めています。
実際、旅行前にペットホテルを予約した際に「ワクチン証明書が必要」と知って慌てて来院される飼い主様も少なくありません。日頃から計画的にワクチンを受けておけば、急なお出かけも安心して楽しめます🚗✨
メリット④ 高齢になっても健康を維持しやすい
適切なワクチン接種を継続することで、感染症による体力消耗や持病の悪化を防ぎやすくなります。特にシニア犬は免疫力が落ちやすくなりますから、ワクチンでの予防は大きな意味をもちます。
犬 ワクチンのデメリット📌|知っておきたい注意点とリスク
ワクチンには多くのメリットがありますが、デメリットや注意点もあります。事前に理解しておくことで、「知らなかった」という後悔を減らすことができます。
デメリット① 副作用が起こる可能性
ワクチンの副作用は、軽度のものからまれに重度のアレルギー反応まで幅があります。接種前に健康状態を確認し、接種後の観察をきちんとすることで、多くの場合は大きな問題を避けられます。
当院では、体調がすぐれないときや持病が悪化しているときには、無理にワクチンを打たず、日程を調整することもあります。
デメリット② 年齢や持病によっては接種に工夫が必要
心臓病、腎臓病、てんかん、がん治療中など、持病がある犬では、ワクチンの種類やタイミングに配慮が必要です。
当院では、腫瘍科の治療中の犬でも、そのときの体調や検査結果を確認しながら、6種か10種のどちらをいつ打つかを個別に検討しています。
デメリット③ レプトスピラを含むワクチンは副作用の可能性がやや高め
ノンコアのなかでも、レプトスピラに対するワクチンは、他のワクチンに比べて少し副作用が出やすいと言われています。
それでも、川・田んぼ・湿地などに出かける機会がある犬では、レプトスピラ感染症のリスクは無視できません。そのため、生活環境を考慮して、10種混合ワクチンをおすすめする場合があります。
犬のワクチンQ&A❓|飼い主様からよくある質問にお答えします。
Q. 犬 ワクチンは毎年必ず打たなければいけませんか?
A. 生活環境や年齢によって、最適な間隔は変わります。若くて散歩やお出かけが多い犬では、基本的に毎年のワクチン(6種または10種)をおすすめします。高齢犬では、抗体価検査を行いながら接種間隔を調整することも可能です。
Q. 犬が注射をとても怖がるので心配です。
A. 当院では犬ができるだけ怖がらないよう、声かけ、抱き方、体勢を配慮してワクチンを行います🐶
「とても怖がりです」「診察台が苦手です」など事前にお伝えいただければ、獣医師と看護師がより配慮した方法を一緒に考えます。
Q. 皮膚病や腫瘍があっても犬 ワクチンは打てますか?
A. 症状の状態や治療内容によって異なります。皮膚炎が強く出ているときや、抗がん剤・免疫抑制剤を使用している場合には、ワクチンの時期をずらしたほうがよいこともあります。
当院では、腫瘍科治療中の犬でも、そのときの体調や検査結果をもとに、6種または10種のどちらを、いつ打つのかを個別に検討しています。
Q. ワクチンを打ったあとは、何か気をつけることがありますか?
A. はい。ワクチン接種後には、当院では 15分間は待合室で様子を見ていただき、その後ご帰宅いただきます。帰宅後は、その日1日はできるだけ安静に過ごすことをおすすめしています。激しい運動、長時間のお散歩、ドッグランの利用などは避け、普段よりゆったりとした時間を過ごしてください。
また当院では1週間以内のシャンプーは推奨しておりません。
まとめ🌟|犬のワクチンは愛犬の未来を守るための大切な一歩
犬 ワクチンは、愛犬とご家族の安心を守る予防医療の中心です。
私たちは、ドッグギャラリークリニックで多くの犬と飼い主様と向き合ってきましたが、ワクチンに関して後悔される言葉の多くは、
「打ちすぎてしまった」よりも、
「打っておけばよかった」
というものです。
• うちの子には、6種と10種のどちらが合っているか知りたい
• 高齢になってきたので、今まで通りのワクチンで良いのか不安
• がん治療中・持病があるが、ワクチンはどうしたらよいか相談したい
このような疑問がひとつでもあれば、ぜひ一度当院にご相談ください😊
アットホームな雰囲気の中で、飼い主様のお話をじっくり伺いながら、愛犬にとってベストなワクチンプラン(6種か10種か、いつ打つか)をご一緒に考えていきます。
ご相談・ご予約は、こちらからどうぞ。
スタッフ一同ご来院お待ちしております。