🐶犬の去勢手術について徹底解説
🐶✨犬の去勢手術とは?
浜松市近隣にお住いの飼い主さま、こんにちは🌿
「去勢手術って本当に必要なのかな?」「かわいそうじゃないかな?」
そんな不安を抱えながら、このページに来てくださったのだと思います。
ドッグギャラリークリニックでは、腫瘍科・皮膚科を中心に日々多くのわんちゃんを診ています。
その中で、「若いうちに去勢していれば防げたかもしれない病気」に出会うことも少なくありません。
だからこそ、この記事では 医学的に正しいこと を、
そして 飼い主さまの心に寄り添う形で、わかりやすく丁寧にお伝えします🐾✨
📌 去勢手術ってどんな手術?
去勢手術とは、雄犬の精巣を取り、生殖能力をなくす手術です。
多くの場合、生後6ヶ月から1年ほどで行います。
🌸 去勢手術がすすめられる理由
🍀 病気の予防につながる
特に予防効果が高い病気は次のとおりです👇
🔵 精巣腫瘍の予防
未去勢の雄犬では比較的よく見られる腫瘍です。
とくに 停留精巣(腹腔内に精巣が残る) の子では、腫瘍化のリスクが一気に高まります。
👉 若い時期の去勢で防げる可能性が非常に高い腫瘍です。
🔵 前立腺肥大・前立腺炎の予防
高齢の未去勢犬で非常に多い病気です。
・排便困難
・血尿
・痛み
・尿が出にくい
など、日常生活に大きく影響します💦
去勢で予防できる病気の代表です。
🔵 会陰ヘルニア・肛門周囲腺腫の予防
男性ホルモンの影響が強い病気で、未去勢犬に圧倒的に多い疾患です。
・直腸が飛び出す
・排便できない
・歩けなくなるほど腫瘍が大きくなる
など、重症化すると生活の質が大きく落ちます。
こうした病気も、若い時期の去勢で予防しやすくなります。
また、未去勢の子がこの腫瘍にかかると去勢することで縮小が期待できる場合もあります。
🍀 行動面の改善につながる
未去勢の雄犬は、ホルモンの影響で次の行動を起こしやすくなります👇
・マーキング
・マウンティング
・他犬への興奮
・落ち着きがなくなる
去勢後はこれらが 軽減する傾向 があります😊
(※全ての行動が改善するわけではありません)
🍀 皮膚トラブルが安定しやすくなることも
ホルモンバランスの変化が皮膚に影響し、
去勢後に皮膚症状が安定する子もいます🌿
⚠️ デメリットや気をつけたい点
✔ 麻酔リスク
ASA分類(アメリカ麻酔学会が定めているリスク分類)のclass1-2(すごく簡単にいうと健康な目立った病気のない子達)
では麻酔リスクは0-0.07%とされています。(あくまで一つのデータ)
BilleCetal.VetAnaesthAnalg,41(3),249-58, 2014
術前にしっかり体調チェック、血液検査、レントゲン、心臓のエコーを行い安全に手術を行えるようにします。
✔ 太りやすくなる
食事変更(去勢した子専用のご飯があります)と運動で十分コントロール可能🏃♀️
✔ 尿漏れ
特に大型犬で報告がありますが、多くの例で薬が有効。
✔ 腫瘍発生率の増加?
一部の犬種での血管肉腫、骨肉腫などが
去勢をした犬の方が発生率が高かったとの報告もあるのは確かですが
これらのデータは「犬種ごとの傾向」を示したものであり、すべての犬に同じように当てはまるわけではありません。
「病気の予防」というメリットと、「一部腫瘍リスクが上がる可能性」というデメリットの両方をお伝えしながら、犬種・年齢・体格・生活環境などをふまえて、その子にとって最適なタイミングや方針を一緒に考えていきます。
🏥 犬の去勢手術の流れ|当院での1日の様子
① 手術前診察
血液検査・身体検査で安全性を確認👍
② 手術当日(必ず朝は絶食)
・朝お預かり
当日に診察で体調チェックなどを行い手術が行えるか判断します。 体調がすぐれない、ご飯を食べてしまったなどの場合は手術を延期します。
・手術
休診時間中に手術を行います。去勢手術の場合は麻酔導入から目が覚めるまで1時間以内に終わることがほとんどです。
潜在精巣などの場合は手術時間が伸びる可能性があります。
鎮痛薬をしっかり使い、痛みを最小限にします。
・夕方お迎え
病院にいてる方がストレスになってしまう子などはその日に退院します。術中、術後に何か問題が生じたことにより獣医師の判断で入院になる場合もあります。
③ 術後ケア
エリザベスカラー or 術後服で傷を保護。
🌈 【まとめ】犬の去勢手術は「未来の健康」を守る選択
去勢手術には、
✔ 精巣腫瘍の予防
✔ 前立腺疾患の予防
✔ 会陰ヘルニア・肛門周囲腺腫のリスク低下
✔ 行動面の改善
など多くのメリットがあります🌟
一方、
・麻酔のリスク
・体重増加
についても、きちんと理解しておくことが大切です。