武信院長のぼちぼち更新ブログ

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夏に増える皮膚疾患

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体重計

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犬の健康管理 vol.6 体重計

前回の聴診器のお話が好評だったので、今回は体重計について調べてみました。
痩せていく話・太っていく話です。
はかりの歴史
人類が最初にはかったものは「時間」とされています。人々が農耕を始めると、洪水が起こりやすい季節、収穫の時期をよむことが必要になったからです。 やがて道具や家をつくるようになると、その「長さ」をはかるようになり、また穀物を交換するために「体積」をはかるようになりました。「重さ」がはかられるようになるのは、それからずっと後のことです。都市が整えられていくにつれて、貴金属などが大切にされるようになり、その価値をはかろうとしたのです。


  重さをはかるために、人間が最初につくり出したのが天秤です。水平の棒の両端に皿をつるして、「分銅」と呼ばれる重りをのせてバランスをとり、モノの重さをはかります。天秤の発明はハカリの歴史の大きな一歩でした。いつ誕生したのかは定かではありませんが、エジプトで紀元前5000年ごろのものと思われる天秤が見つかっています。これはもちろん体重を量るものではありません。私たちにとってもっと身近な体重計がいつごろ考案されたかは記録がありませんでしたが、日本では昭和46年頃には家庭用ヘルスメーターが爆発的なヒットをしたようです。
ボクは体重計というと銭湯にあるアレを思い浮かべます。子供の頃は銭湯でアレに乗るのが楽しみでしたが、30歳を過ぎてからはちっとも楽しくありません、、。小学校の身体測定でも身長や体重を量るのがひとつのイベントみたいで楽しかったですね。動物は身長はあまり測りませんが、体重なら病院に来た子達はみんな計ります。体重は一番簡単な健康のバロメーターなのです。
痩せていく話
動物病院では、高齢犬、特にガンなどの病気を持っている動物の体調管理には体重計は欠かせません。ガンの症状の重要なものに「悪液質」という症状があります。これは「食べても食べてもやせていく」状態のことで、どんなに栄養を取ってもガンに吸い取られてしまう恐ろしい症状です。
なぜガンになると「食べてもやせて」しまうのか?
その理由はガン細胞が、甘いものが好き!だからです。がん細胞は糖分を主食にしています。ガンにかかった動物は糖分をエネルギーに変えられず、がん細胞に貢いでしまうのです。また、ガンは三大栄養素のうちの炭水化物とタンパク質を食いつぶしますが、不思議なことに脂肪分を消費しませんので、ガンに罹ったら良質な蛋白と共に脂肪分を食べさせなくてはいけません。なかでも魚の油などに多く含まれるω-3脂肪酸はガンの抑制効果があることが知られています。
それでもガンが進行するとだんだん痩せてしまいます。家庭でのガンとの闘いはいかにおいしく食べさせて体力を保たせるかになってきます。
太っていく話
反対に比較的若令〜中年齢にとって怖いのは(僕もそうですが)「肥満」です。これは2〜5歳位の避妊・去勢手術をした後に発生しやすい問題です。昨今の人間界の健康ブームに伴って、動物界でもダイエットがブームです。巷のペットフードやオヤツにも「減量用」「カロリーひかえめ」などの文字が躍っていますが、こんなときにも体重計は強い味方。減量に関する文献にはその秘訣として、「毎週一度は体重計に乗ること」が書いてあります(おーーこわっ)。ぼくも「よーしきめた来年からは腹八分目にしてスポーツジムでも通おう!」と、毎年思うのですが、、なぜか日に日に体が重くなっていくのです、、。重力のばかやろー。
そんな時みんなが一度は思うこと。「月にいけたら楽だろうなあ」たしかに月面では引力が地球より弱いので体重が1/6になります!!(これは体重計で計った場合;天秤で量ったら同じです。)すると、面白いことを発見しました。なんと日本国内でも重力に差があるそうで、北海道と沖縄では77グラムも違うそうです!!知っていましたか??ということは、北海道で50.000kgの人は沖縄では49.923kg。沖縄ずるいっ!


http://www.ishida.co.jp/rekishikan/gakusyuu/rika_joho.html


皆さんも体重計を上手に使ってワンちゃんたちの健康管理をしてあげましょう!